2016年09月20日

覚えているようだね



つくしの訪室に、出迎えに立ったのは優美だった。
優しい笑みを浮かべ、つくしの手を取る。

「つくしさん、よくなってよかったわ!
 もう大丈夫なの?」

「はい。お義父さんとお義母さんにもご心配をかけてすみませんでした」

申し訳なさそうに頭を下げると、優美は困ったようにそれを制した。

「私たちこそ、全然帰国できなくてごめんなさいね。
 私だけでも戻ろうかと思ったんだけど、類が来なくていいって言うから…」

優美に付き添われ、その先へと足を進めた。


つくしが真っ先に目線を向けたのは、やはり楓だった。
高校時代の苦々しい思い出が脳裏を掠める。

「…お待たせしてすみません」

一礼して、類の隣に腰を下ろす。
類とつくしを挟むように孝と優美が座り、その向かいに楓、司が座る。
司の脇に山本義政と、佐が立っている。

「山本さんも座りなさい」

孝が着座を促すが、義政は恐縮したようにそれを断る。
義政の様子に類は小さく溜息を吐く。

「…つくし、そういうの気にするから、座んなよ」

類の言葉に、義政は申し訳なさそうに頭を下げ、如新nuskin產品

佐と共に末席へと着座した。


「つくしさん、怪我の方はもう大丈夫なのかな?」

突然名前を呼ばれ、ハッと顔を上げる。
その時初めて、周りが自分を見ていたことに気付く。

「は、はい…先日の検査でも異常はないとお話をいただきました。
 骨折の方も痛みもなく、問題はありません如新nuskin產品

 ご心配をかけて、申し訳ありませんでした…」

「そう。それならよかった。
 ところで、そちらの彼に見覚えはあるかねnuskin 如新
?」

促されるように見た、視線の先の人物に、つくしは思わず『あ…』と声を洩らす。

 あの事故の時、非常階段ですれ違った、だろう?」  


Posted by きま at 11:53Comments(0)

2016年09月09日

優紀も総二郎に微笑んだ



高級車が並ぶ夜の街でもひときわ目立つ黒のリモが停まると類が降り、続けてあきらと総二郎が降りた。

つくしの声が届かないほど広い車道の向こう側のことだというのに、女の子の黄色い歓声がはっきりと聞こえる。

信号が青になるとつくしは優紀の手を握って向かいの歩道に向かって突然走り出した。

「類ー!」

つくしの声に気がついた三人は立ち止まった。

信じられないくらいの数の人だかりがF3の周りを取り巻き、優紀はひとの肩越しにつくしが堂々とその真ん中に立ち三人と話しているのを遠くから眺めた。

優紀とつくしの繋がれていた手はいつの間にか離れてしまい、優紀は人だかりのなかに混じっている。

つくしは三人と一緒にいてもキラキラして、かわいくて、やっぱり特別なんだなと改めて感じた。

総二郎も楽しそうに笑いながら話していて、優紀は今日はなんてラッキーと小さく微笑んだ。

ドキドキして俯いていないと涙がこぼれそうで、優紀は小さく深呼吸をする。

「優紀ちゃん!」

コートの上からぎゅっと二の腕を掴まれるとひとごみから無理やり引っ張りだされ、よろよろと優紀はそのひとの胸にぶつかった。

「優紀ちゃん、なにしてんの?おいで」

きゅっと力を込めて握られる自分の右手微創手術


「あ・・・」

「ごめん、優紀。いつ手が離れちゃったんだろ?置いてけぼりにして、ごめんね」

「う、うん、大丈夫」

優紀には行く先は分からないが四人はどんどん歩いていき、優紀の右手はまだきゅっと握られたままだった。

「西門さん、よく優紀のいる場所すぐにわかったね。
意粉醬西門さんが助け出すまで、わたし優紀のこと全然見えなかったよ」

「そうか?オレはすぐに見つけられたよ」

総二郎はこともなげにそう言うと優紀に優しく微笑んだ。

前を歩く三人にはふたりの繋がれている手は見られていないくて、これはただ離れてしまわないように繋いでいるだけ。


  


Posted by きま at 16:03Comments(0)